ああ、たしかにあの頃は楽しかった。
守られていたから。
決められていたから。
不安も恐怖もなかった。
でも、今は違う。
混沌の中を彷徨い、生きている。
自分の人生を、自分の選択で進まなければいけないのだ。
止める人、慰めてくれる人はもういない。
これが自立ということなんだろう。
旅立ち、巣立ちということなのだろう。
俺は、まだまだわからないことが多すぎる。
だからこそ、何をやればいいのかわからないし、
何がいいのかもわからなかった。
がむしゃらに、手探りに生きるしかないのだ。
でも、ひとつだけ大切なことに気づいた。
それは、どんなに混沌、不安や恐怖、リスクの中を彷徨おうと、
自分のやりたい生き方を貫くことだ。
それこそが、唯一の歩む導だ。
いずれ来る死まで、一緒にもがいてみようぜ。